セカイを眺めてみたら

アメリカ・サンフランシスコで国際学修士〜社会人デビュー

典型的文系 プログラミングスキル皆無のわたしがハッカソンに参加した話

早速だが、タイトルのとおり、ハッカソンに参加してきた。プログラミングスキル、AdobeのPhotoshopやIllustratorといったデザインツール使用経験すらほぼなし、そしていわゆる文系人間である。ハッカソンなんて、一生関わることのない、一生未開の世界であると思っていた。しかし、わたしは参加したのである。しかも、わたしのチームは優勝して1000ドルのamazonギフト券をゲットしたのである。

1. ハッカソンとは?

わたしのようにハッカソンと聞いてピンとこない読者の方も多いかもしれない。ハッカソンとは、3日から長くて1週間程度で、なにかしらのサービスや製品を使える状態まで作り上げ、そのアイデアや仕上がりクオリティなどを競うコンテストのことである。大抵は、HTMLやJava script, Python, Rubyといったプログラミング言語を扱えるプログラマーたちが会場に期間中缶詰めになり、血眼になってプロジェクトに取り組む。そして優勝すると、賞金や豪華景品がもらえる。たとえば、Go Proのカメラなど。しかし、その景品目当てというよりは「優勝というポジションがほしい」というピュアな心の持ち主が多く参加しているように感じる。

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今回わたしが参加したのは、AT&T VR/AR ハッカソン。バーチャルリアリティ、オーグメンテッドリアリティを使った何かを作って、競い合えというものである。AT&Tは携帯などのネットワークを提供するアメリカ大手の会社だ。スタートアップ大国のサンフランシスコ、このようなハッカソンは毎週のようにやっている。

ここで、わたしのバックグラウンドを少し。冒頭でも述べたように、わたしにはハッカソンに参加して貢献できるようなスキルは一切もってない。大学は日独の歴史社会比較(実はドイツ語学科)で、サンフランシスコの大学院では国際学を専攻、長時間労働とハピネス、政治参加の関連性の修論を書いた。ちなみに、趣味はフリースタイルダンスである。高校時代の苦手科目は、数学と化学。数式にはどうアプローチしても拒絶されたという過去をもつ(単純に得意でないという話)。

 は?じゃあ、お前なんでそこにいった?それでなにしたの?って疑問がみなさんには沸々湧いているだろう。

2. なんでわたしが参加したのか

無料だし、ご飯出るし、時間あったし、新しいネットワークできるかな?じゃあ1日目だけちょっと行ってみるか (大抵1日目はなにもしない、ご飯食べて飲んで、ルール説明があって、チーム組みがある) 。

しかし、そこでたまたま出会った年の近い青年チームと話し込んでいたら、なんとなく参加してみるかという気になり、気がつけば、彼らのチームに参加する流れになっていった。少し前から、Adobeのイラストレーターやフォトショップの使い方を学びたいと思っていたのだが、メンバーがそれを教えてくれるとのことで、プロジェクトのビジュアルグループの役割に加わった。

 

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1日目のプロジェクトアイディア練りの場面(右端のショールを羽織っているのが筆者)

3. Virtual Reality グループ瞑想サービスをつくる

わたしの参加したチームのプロジェクトはSocial Meditation(ソーシャル瞑想)を実現させる!というもの。チームサイズは規定がなく、最多の15名。多くのチームは3−5名くらいで構成されていた。サービス名(会社名)はKinder Spirits。

これはゲームのようなもので、ヘッドセットを装着し、Virtual Realityの空間で瞑想する。また離れたところにいる人ともいっしょに瞑想することも可能で、集中が途切れたりすると「Calm!」とお知らせしてくれたり、逆によく集中できているときには、キラキラや蝶が目の前に出てくる。参加者が皆いっしょに集中できると、ご褒美映像や音が出現するという点で、人のつながりが持てる部分が「Social Meditation」を謳う所以である。

集中力の持続の有無を図るのは「muse」という既存の瞑想サポート装置。頭に装着して、脳波を測定して集中の有無を測ってくれる。この装置は250ドルで一般でも購入可能だ。また、プログラマーたちの間では、これを利用して瞑想以外の用途にも応用されている。

ちなみに、サンフランシスコ・ベイエリアでは(日本や他の地域がどうなっているかは全く知らないが)リラックスと精神統一を目的に、瞑想が流行っている。わたしの働いている会社でも、毎週月曜日の朝にみんなでMeditationしよう!と声がけしてくれる人がおり、みんなで取り組んでいる。

他のチームプロジェクトとしては、宇宙にいった体験ができるものや、賃貸物件の確認を現地に行かずともできるもの、AR(Augumented Reality)を使用したお料理インストラクションをしてくれるものなどがあった。

 

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VRのヘッドセットはもはやお手軽商品。紙箱にiPhoneをセットすればOKのタイプも。

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審査員にプロジェクトを説明。右端の女性のおでこについているのがmuse。

4. 関連スキル皆無のわたしができたこと

このプロジェクトでわたしが貢献できたことは、ユーザーに見せる画面の背景や効果画像などの素材集めだった。

ただの素材探しだが、全く経験知識のないわたしには学びの連続であった。VRということは、360度見渡せる”equirectangular”と呼ばれる画像が必要であるのだが、その画像をなんとGoogle Image検索から簡単に取れるのである。また、3Dイメージ用のパーツ(例えば花や蝶、昆虫など)も販売しているサイトがあり、その中のFreeパーツをダウンロードして、プログラマーが組み込めばどんどん皆んなでイメージした世界が出来上がっていく。これは、かなりのわくわくであった。

ちなみに、Adobeのソフトの使い方を伝授してくれるといった彼は自分の仕事にのめり込んでいたため、結局それを教えてもらうことはなく終わってしまった。

 

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これがequirectangularの画像

5. 今回のTake Away

VRのサービスの作り方を少なからず理解でき、より身近に感じられた!

・プログラミング、作曲、デザインと今までにないネットワークが広がった!

・週末のご飯代がまるまる浮いた!(開催期間中、朝昼晩&おやつが無料配布)

なんでもやれば世界が広がるな!というさらにポジティブなマインドセットをゲット

 

実をいうと、もともと全日程参加する予定でなかったために、別の予定をこなす必要があり、貢献度はかなーーーり低かった。しかも、最後の結果発表も行けなかったため、賞金は当たり前だがもらっていない。

しかし、それでもチームメンバーだと言ってくれ、終了後もVR FamilyとしてFBグループに入れてくれた皆の懐の深さには本当に感謝。ありがとうありがとうありがとう。

なんといっても、「絶対わたしには関係ない」と思っていたことや人たちが、たった3日でちょっと身近になったのは恐ろしいほどの収穫である。

この調子で、ちょっとオタク気味の我が弟の世界にも足を踏み入れて、彼らに対する理解を深めてみようかとも思っているぐらいだ。

ハッカソンに関しては、ちゃんと3日間スケジュールをあけて、また今度がっつり参加する予定。そのときのレポートをどうぞお楽しみに!